おだやか日記

認知症になっても住み慣れた家で最期まで暮らすために必要なこと~必要条件~

おだやか診療所です。

本日は、「認知症になっても住み慣れた家で最期まで暮らすために必要なこと」について書いてみたいと思います。

必要条件

認知症になっても最期まで住み慣れ体で過ごすために必要なことは、BPSDの緩和です。物忘れ主体でBPSDがほとんどないアルツハイマー型認知症の方は最期まで家で過ごすことができることが多いようです。一方で、BPSDの激しい前頭側頭型認知症では、なかなか家で過ごすことは難しいです。

そのため、まず必要なことは「BPSDの治療」ということになります。

BPSDの治療

BPSDの治療には薬物療法と非薬物療法の2つがあります。この2つは両方とも必要であり、どちらかが欠けていたらBPSDの治療は困難になります。

BPSDの原因は、「薬物」「脱水や感染症など」「不適切なケア」などがあります。脱水症や感染症は治療を行うことによって治ります。BPSDの原因として最も多い「薬」に関しては、不要な薬を抜くことにより改善します。

「薬物」「脱水症や感染症」などの原因を排除してもまだBPSDがある場合は、介護対応可能か不可能かでまず考えます。介護対応可能なレベルであれば、非薬物療法を行います。非薬物療法には様々な方法がありますが、「すべての非薬物療法は回想法に通づ」という基本を忘れないようにしましょう。

一方、介護対応困難なBPSDに対しては、薬物療法を行う必要があります。以前も書きましたが、BPSDに対する薬物療法の目的の一つは、非薬物療法ができるようになること(=介護対応が可能になること)です。薬物療法である程度落ち着いたら、非薬物療法を行います。

不適切な対応をとっていたら?

BPSDに対し薬物療法を行いある程度落ち着いていたが、しばらくするとまた元に戻り、薬の量を増やすとまた落ち着くがしばらくするとまた元に戻ってしまう、こういうことがたまにあります。これは、不適切な介護対応が原因であることがほとんどです。このパターンにはまると、いくら薬物療法をしてもよくなることはありません。

一方、介護対応が適切であっても、薬物の選択が不適切な場合は、介護側の疲労がたまります。このパターンで最も多いのは、アリセプト(ドネペジル)10㎎を処方されている場合です。ドネペジルによる「薬害性前頭側頭型認知症」が非常に多く見られます。アリセプトを中止にするだけで良くなることもありますが、これがなかなかわかってもらえず、介護士の疲労がたまり、介護職をやめることが増えています。医師が介護士不足を加速させることがないよう、自戒を込めて書いておきます。

まとめ

認知症になっても住み慣れた家で最期まで暮らすことができるために最も必要なことは、BPSDの緩和です。しかし、それだけでは不十分です。認知症の早期発見、早期診断、認知症の治療を行う医療、看護、介護、薬剤のチームの動き方、家族への説明、街の住民に対する啓もう活動、こういったことが必要となります。街全体で認知症の方を見守るチームができなければいけません。逆に、そういう街づくりができた時、認知症になっても住み慣れた家で最期まで暮らすことができるようになります。

 認知症になっても住み慣れた家で最期まで暮らすことができる街づくりができたら、末期がんの方やその他の疾患(心不全、腎不全、呼吸不全など・・・)を持っている方も、住み慣れた家で最期まで暮らすことができるでしょう。

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