おだやか日記

ユマニチュードについて2

おだやか診療所です。

本日はユマニチュードのケアの5つのステップについてです。

ユマニチュードについて

①出会いの準備

利用者さんの部屋の入室する際に、まず3回ノックします。そして3秒待ち、さらに3回ノックして3秒待ちます。返事があったら入室をしますが、返事がない場合は再度1回ノックしてから入室します。

これは、利用者さんが「ケアをする人が来た」ということを認知するために行う行動です。また、利用者さんの覚醒度を高める効果もあります。

②ケアの準備

利用者さんに対し、「私はあなたに会いに来ました」というメッセージを伝えます。最初からケアの話をするのではなく、まずはあいさつなどをします。相手の目を見て3秒以内に話を始めます。ネガティブな言葉を使用せず、ポジティブな言葉を使用しましょう。「見る」「話す」「触れる」といったユマニチュードの柱となっていることを行います。

このとき、3分以内に相手が受け入れてくれなければ、その場はいったんあきらめることになっています。⑤にうつり、次の機会を待ちます。

しかし、次の機会を待つ余裕がある人ばかりではありません。食事をほとんどとっていない、入浴や清拭をほとんど行っていないなど、緊急を要する場合もあります(ほっておいたら、栄養低下、フレイル、サルコペニア、褥瘡、肺炎、尿路感染などになりかねない)。こういう時は、薬物療法の出番です。

③知覚の連結

「見る」「話す」「触れる」のうち、常に2つ以上の技法を同時に行うようにします。立ち上がりの動作が必要な時に、「今から立ち上がりましょう」と声をかけても、相手に返事を待たずに介助を実行しては意味がありません。「この人は私の言うこと聞いてくれない」といった負の感情が残ってしまいます。

「知覚の連結」というとなんだか難しいのですが、同時に行っている2つの技法において、同じメッセージを伝えましょうということです。たとえば、「話す」では優しい声掛けをしていても、「触れる」で利用者さんの手をつねっていたりしたら、それは真逆のメッセージとなってしまいます。利用者さんの手を優しく触れることによって、「話す」「触れる」の2つの技法で、「あなたのことを大切に思っています」というメッセージを伝えることができます。複数の技法で同じメッセージを伝えることを「調和」をもつとも言います。

④感情の固定

認知症が進行しても、「感情の記憶」は残ります。されたことは忘れても、「何か嫌なことをされた」という記憶は残るのです。これが、特定の人に対する易怒性や介護拒否といったBPSDとなって現れます。BPSDと言っていますが、本人にとっては極めて当然の反応なのです。

さて、ケアが終わったら、前向きのフィードバックを行います。「体を拭いて気持ちよくなれましたね」「前より体が動くようになりましたね」などと、ポジティブな声掛けを心がけましょう。そして、「あなたと一緒の時間を過ごせてよかったです」と心地よさを共有します。これらは、利用者さんに「よい感情」が記憶として残るように行います。

⑤次回の約束

「次はいついつに来ますね」「また会いましょうね」などと言って、次回の約束をします。利用者さんは、「また優しくしてくれた人が来てくれるのだ」という「よい記憶」を保持することになります。このことにより、次回の訪問の際に笑顔で迎えてくれるようになります。

まとめ

認知症が進行しても、「感情の記憶」は残ります。嫌なことをされたら、その人のことを嫌いになり、良いことをしてもらったら、その人のことが好きになります。ある意味、当たり前のことを言っています。

ただし、前頭側頭型認知症(特に前頭葉症状が強いタイプ)に対しては通用しないこともあると思います。認知症に対しては、やはり医療と介護のどちらが欠けてもダメなのです。

Youtubeの高齢者ケア研究室チャンネルにユマニチュードの技法が載っています→高齢者ケア研究室チャンネル

 

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