おだやか日記

認知症の診療~実例その6~

おだやか診療所です。

本日も抗認知症薬の使用により改善した例を紹介します。

症例

80代前半の男性。軽度の物忘れはあるが、心不全などの内科的な疾患によりADLが低下してきた。

心不全は時の増悪し、一時期は慢性呼吸不全も併発、在宅酸素も導入した。こちらについては心不全の改善とともに呼吸不全もよくなったため、在宅酸素終了となった。

ある時期から、夕方~夜になると騒ぎ出す、つじつまの合わないことを言う、興奮する、といった症状が出てきた。

アセスメント

もともと短期記憶力の低下があり、認知症の進行によるものと考えがちではあるが、この方は症状が出るのは夕方~夜間であること、毎日症状が出るわけではなく、普通に過ごす日もあることから、認知症の進行や血管性認知症などは考えにくい。

そうすると、この症状はせん妄と考えるべきである。せん妄の原因にはいろいろあるが、この方の場合血液検査では特にせん妄の原因となるような電解質異常などは見られなかった。

治療

実はせん妄にリバスタッチパッチが効果がある。セレネース(転倒、傾眠のリスク)や抑肝散(電解質異常、特に低カリウム血症、浮腫などのリスク)よりも、この方の場合リバスタッチパッチの方が副作用が少ないと考え、リバスタッチパッチ4.5㎎1日1枚を16時くらいに貼るよう指示。

リバスタッチパッチ使用後はせん妄は全くなくなり、夕方から夜間にかけても日中と同じようにおだやかに過ごすことができるようになった。

まとめ

リバスタッチパッチはアリセプトと比較し、即効性がある。また、半減期が短いため、副作用が出た場合も使用中止ですぐに改善する。皮膚がかぶれない限り、非常に使いやすい薬である。4.5~9㎎では歩行機能改善も期待できる。ただし、18㎎ではアリセプトと同様にパーキンソニズムを起こすことが多いため、リバスタッチパッチ18㎎はできるだけ使用しないこと。

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