おだやか日記

ユマニチュードについて

おだやか診療所です。

本日は、「魔法のよう」といわれるユマニチュードについて書いてみたいと思います。

ユマニチュードとは?

ユマニチュードとは、フランスで開発された介護の技法のことです。その根本的な考え方は、介護する人から介護される人へ、「あなたを大切に思っています」というメッセージを伝える介護を行うということです。ユマニチュードの4つの柱に「見る」「話す」「触る」「立つ」があります。

見る

「見る」で大切なことは、相手と目線の高さを合わせること、0.5秒以上目を合わせることです。これにより、「あなたと私の立場は平等です」というメッセージを伝えます。また、距離も重要で20㎝くらいが良いとされています。ただし、人によって心地よい距離は異なります。

また、正面から見ることも大切です。後ろから見ても相手にはわかりません。

話す

ゆっくりと、優しい声で、相手に聞こえやすいように話します。否定などのネガティブな言葉ではなく、肯定などのポジティブな言葉で話しましょう。「熱がまだありますね」よりも「熱はだいぶ下がりましたね」と言った方が、安心につながります。

なお、途切れなく話すことも大切です。話すことがなくなったら、動作の実況を行います。「今から背中を拭きますね」「今から右腕をあげますね」などと声掛けをしながら介護を行います。これをオートフィードバックと言います。

私も、もう話すことができない認知症の寝たきりの方に、ひたすら話しかけながら診察していました。「今から胸の音を聞きますね」「胸の音は問題ありませんよ」「体調はいいですね」と。一年くらいたったころ、その方は明らかに目の動きで感情を示すようになりました。もう認知症の末期だと考えていたので、それでも改善する部分があることにびっくりした記憶があります。ご家族も「最近目で言ってくるんですよ」と仰っていました。

触れる

優しく触れること、広い面積で触れること(指先ではなく手のひら全体で)が重要です。さらに、背中、足、腕などから触り、顔などは一番最後にします。感覚が鈍い部分から触り、徐々に移動し最後に鋭敏な場所を触りましょう。いきなり顔を触ると「厚かましい」と思われます。

触ることにより、愛情を示します。また、オキシトシンの分泌にもつながります。

 

さて、相手との信頼関係を築くことができると、「ハグ」を行うこともあります。これは非常に効果があります。できれば同姓どうしで行うことが望ましいとされています

立つ

寝たきりの方でも、1日合計で20分は立つようにします(連続20分立つ必要はありません)。歯を磨くとき、顔を洗うときなどに立って行いましょう。立つことにより、自分の存在を強く意識できます。また、関節や軟骨への血流改善、心肺機能の維持、骨粗しょう症の改善、筋力保持、拘縮予防、褥瘡予防などにもつながります。すなわち、フレイルの予防につながります。

まとめ

ユマニチュードは、自然に行っていたという人も多いかと思います、ある意味では、「当たり前」のことをまとめたようなものです。様々な介護技法を駆使し、「不安」を取り除き「安心」を提供する技法と言っても構わないと思います。いわゆる認知症の行動・心理症状(BPSD)の大半は「不安」からきているといっても過言ではありません。

 

ユマニチュードは「ケアの5つのステップ」というものがありますが、これについては後日書いてみたいと思います。

 

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