おだやか日記

いつでも往診に来てくれる~それが本当に安心につながるのか~

おだやか診療所です。

毎日新聞に「<在宅医療>知識と技術と覚悟の足りない医師がいる」という記事がありました。本日はこの記事について書いてみたいと思います。以下枠内は、記事からの引用です。(記事のリンクが切れていましたので、こちらにリンクを貼っておきます。ただし、有料記事となっています→新しい記事のリンク)

「前の訪問診療の先生は、具合が悪くて診てほしい時に、一度も自宅に来てくれませんでした。『休日はゴルフに行くので呼ばないでほしい』と言われたことも。何にもない普通の時はしょっちゅう来るのに……。先生に会わなければ今も、訪問医をぶん殴りたいと思っていたはずです(笑い)」実は、このような話はたくさんあります。あるがん患者が痛みに耐えかね、24時間対応加算を取る在宅診療クリニックに電話したら「今新宿にいて、タクシーで向かうと2万円かかるから高いよ。それより救急車を呼べば?」と言われたというのです。 

 今の時代にもこのようなこと言う訪問診療医がいることは驚きですね・・・・・。がんの痛みのコントロールもできていないうえに電話でこのような対応では患者さんの不安は増すばかりでしょう。

私のクリニックは、夜中に痛みを訴える患者さんから連絡があれば、痛みを抑える薬を持ってすぐ自宅に出向きます。そして痛みが取れるまでできるだけ対応します。そのことを知った知人女性の家族は、今さらながら当時の開業医の対応に怒りを覚えると言います。くだんの医院のホームページには今も、「在宅医療で悪性腫瘍終末期に対応します」と書いてあるのです。

問題はここです。夜間に激しい痛みがあるにもかかわらず何の対応もしない訪問診療医は失格です。しかし、「痛みを抑える薬を持ってすぐ自宅に出向きます」の部分に実は問題があります。これは、日ごろの診療で疼痛のコントロールがしっかり行えていない可能性があるからです。病状などから症状を予測し、早め早めに鎮痛剤を投与するなどの対応をとり、レスキュー(痛みが出た時に使用する頓服薬)の処方をしておき、患者さんや家族に対応を説明しておくと、いざ夜間に痛みが出たとしてもあらかじめ説明しておいた対応をとることにより、すぐに痛みをとることができます(医師が駆けつけるまで、痛みを我慢することもありません)。また、このような早め早めの対応自体が安心につながり、その安心自体が痛みの軽減につながります。

 

これはあくまで私の考えですが患者さんの緊急時に何もしない訪問診療医は失格、緊急時にすぐ対応する訪問診療医は普通、あらかじめ緊急時に何が起こるかを予測し、その対応法を伝えて患者さんが安心できるようにする訪問診療医は一流と思います(もちろん、どんなに予測をしていても、必要とあれば緊急往診に伺います)。

 

なお、訪問診療のクリニックを選ぶ際に、記事にあった以下の文章は役に立つと思います。

くれぐれもホームページや看板に釣られないでください。特に、「当院の訪問診療はさまざまな専門医が担っています」とうたうクリニックは要注意。長期療養や末期がんの症状コントロールの知識と経験がない、アルバイト医師が単に日替わりでやってくるだけになります。また、有料老人ホーム専門の在宅医療クリニックも要注意です。患者を年間1000人診ているが、老人ホームを含む自宅でのみとりは年間10件、といったクリニックが少なくないからです。常勤医は1人か2人で、その他はアルバイト医師である場合が少なくありませんから。

 

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